骨盤矯正と東洋医学の関係

日本で一般的に言われる東洋医学とは、「鍼灸」と「漢方」の事を指します。
広い意味ではインドのアーユルヴェーダなども東洋医学の一つです。
「鍼灸」と「漢方」の原型は2000年以上昔に中国で生まれ、その後日本にも伝わり発展してきました。
江戸時代までは、東洋医学が日本の医療のメインだったのです。
東洋医学の特徴として、
  • 「人間が本来持っている治癒能力を高めること」
  • 「ふだんの食事や生活習慣を見直し、病気を未然に防ぐこと」
  • 「病気(一部)ではなく、人(全体)を診る」
などが挙げられます。
 
骨盤矯正の説明にも、同様の説明が多くみられますね。
実際に、
「骨盤矯正は東洋医学を基にしています」
「東洋医学やカイロプラクティックの技術を組み合わせた骨盤矯正です」
といったお店もよく見かけます。

ですが、

東洋医学には骨盤を矯正する治療はありません。

骨盤矯正とは、ここ数十年の間に日本で作られた造語です。
骨盤矯正は「鍼灸」「漢方」のように何千年ものあいだ医療の中心となってきた歴史もなければ、国が認めた治療でもありません。

ご存じのとおり「漢方」は病院でも処方されていますし、「鍼灸」には症状によって保険が適応されます。
国が効果を認めているからです。
海外でも、WHO(世界保健機関)が鍼灸の効果について認めています。

骨盤矯正の効果に関しては、信頼できる研究論文がありません。
海外では「骨盤矯正」は通用しないのです。

紛らわしいですが、骨盤矯正を行っているのが鍼灸師や柔道整復師などの東洋医学を学んだ人が多いので一緒にされがちなのです。


東洋医学の持つ
「神秘的」
「体に優しい」
「負担が少ない」
「オーガニック」
などのイメージを利用して日本に浸透した骨盤矯正ですが、東洋医学と骨盤矯正は全くの別物です