部分やせの極意

ダイエットをしている人にとって重要な問題は、「部分やせ」ではないでしょうか?

お腹周りや下半身、二の腕などの部位は、一度脂肪がついてしまうとなかなか落ちてくれません。

ただ体重を落とせばいいというものではなく、それらの部位がすっきりとすることでスタイルはよく見えます。


そもそも、なぜ部分的に脂肪がつくのでしょうか?

脂肪は、エネルギーの貯蔵に加え、身体の保護という役割もあります。

脂肪はクッションであり、断熱材です。

中年になると内臓脂肪が貯まりますが、これは働き(代謝)が悪くなった内臓を脂肪で囲って守ろうとする防御反応です。

防御が目的の脂肪は、エネルギー貯蔵が目的の脂肪と違って運動では落としにくいです。

なぜなら、大切なものを守っている鎧(脂肪)を失う事は、命にかかわるからです。

やせた人よりも小太りの人の方が健康的に長生きするという統計は、最近では一般的にも知られるようになってきました。

脂肪は身体を防御してくれる上、ホルモンなどの人が生きていく上で必要な物質を作るための材料になるからです。

しかし、ダイエットする女性にとっては邪魔者の脂肪も、体にとっては必要なものなのです。



だからと言って、体についてゆく脂肪を黙って放置したくはありませんよね?

部分やせに重要なのは、やはり「筋肉の代謝」です。

脂肪は落ちてゆく筋肉に置き換わるように体についてきます。

部分やせしたい部位と言うのは、全て大きな筋肉がある部位です。

筋肉は熱を生み出しますから、筋肉が衰えたり代謝が悪くなると、生み出す熱が減ってしまいます。

そうなると体温はどんどん下がってしまいますので、それを防ぐために脂肪(断熱材)で補われるのです。

筋肉の代謝が上がれば生み出す熱量も上がり、脂肪がつきにくい身体になります。

それでは部位別に部分やせのポイントを見ていきましょう。



お腹

下っ腹や腰回りなど、一番気になる部分かもしれませんね。

お腹には大切な大切な内臓がありますし、下っ腹には女性の内生殖器があります。

特に守らなければいけないものがたくさんあるのがお腹です。脂肪がつきやすい部位と言えます。
お腹には腹筋群があります。

簡単に言えば腹筋運動をするのが一番いいのですが、辛い運動をコツコツ続けるのはとても大変です。

電気刺激運動器具に頼ってもいいのですが、お手軽な方法をお教えしますね。

腹筋はもともと血液が豊富に流れている筋肉です。

過酷な運動をして筋肉痛になっても次の日には回復してしまうくらい代謝がいいのです。

辛い筋肉トレーニングをしなくても、少しの工夫で、腹筋に流れる血液の量は増えてくれます。

辛い腹筋運動は「縮む」動きですが、「ひねり」の運動、つまりストレッチをするだけでも血液の流れは増加します。

腹筋の「ひねり」とは、腰を回したり、ねじったりする運動ですね。

この運動のポイントは、軽い運動を何度も行う事です。

腰回りにじんわりと温かさを感じるくらい繰り返しましょう。

「縮む」動きに比べ、「ひねり」のストレッチであれば身体への負担が少なくて済みます。

出来るだけ毎日行う事で、腰回りに流れ込む血液の道が出来ます。

カーヴィーダンスロングブレスダイエットも、筋肉トレーニングよりも腹筋へ流れる血液量を増やす運動ですね。

 

下半身太り

下半身に脂肪がつくのは、主にお尻と太ももです。

お尻の脂肪も、座ったり転んだりした際の大切なクッションですから、なくてはならないものです。

しかし、必要以上についた脂肪は張りを失った筋肉と一緒に垂れ下がってしまいます。

太ももについた脂肪も、足が太く見える原因になります。

お尻と太ももの両方を刺激する運動は、ずばり「踏み台昇降」です。

段差を上がって降りての繰り返す動きですね。

お尻のふくらみのほとんどは、大殿筋という筋肉です。

大殿筋は、太ももを後ろへ押し返す動きをしているので、しゃがんで立つ際や坂道を上る際に主に働く筋肉です。


そして太ももの前の筋肉は大腿四頭筋と言います。

よくダイエットでは太ももの内側の筋肉(内転筋)のエクササイズを勧めますが、内転筋はそれほど太い筋肉ではありません。

太ももの筋肉の中では、大腿四頭筋が圧倒的に太い筋肉になります。

つまり、太ももの運動をするのであれば、大腿四頭筋のエクササイズが最も効果的なのです。

踏み台昇降の動きは大腿四頭筋も使いますので、大殿筋と大腿四頭筋の両方を動かせる一石二鳥の動きです。

本当はスクワットが一番筋肉への刺激が大きい運動なのですが、太い筋肉のトレーニングは苦痛を伴います。

ボディビルダーでも、下半身の筋肉を鍛えるのは大変なのです。

踏み台昇降であれば、筋肉トレーニングほどの辛さは無く、代謝を上げる事ができます。

お家の中で行うなら、階段の一段目などを使ってもいいですし、専用の踏み台があれば場所を選ばないのでテレビを見ながらでもできますね。

踏み台昇降は、下半身太りを解消する効果的で効率的な運動なのです。



二の腕

二の腕も部分やせのターゲットです。

よく、手を挙げた時に二の腕についた脂肪を「振袖」なんて言われますが、あれは腕の外側の筋肉、上腕三頭筋についた脂肪の事です。

腕の筋肉は下半身に比べると細いですが、上腕三頭筋は腕の中では比較的太い筋肉です。

上腕三頭筋は肘を伸ばす動きをします。

上腕三頭筋のエクササイズでポピュラーなのは、腕立て伏せですね。

ただ、女性だと腕立て伏せができない…という方も多いはず。

そんな方には、立ったまま壁に手をついて「壁腕立て」をやってみましょう。

両手を前ならえした状態から壁に手をついて、ゆっくりと肘を曲げてみましょう。

腕が少し疲れたかな、という位で一旦休憩してもらっても大丈夫です。

休みながら何回か繰り返していると、少し汗ばむように体が温まってくるはずです。

立ったままで行える運動で場所を選びませんので、ちょっとした空き時間に実践してみてください。




部位によって、部分やせのポイントをご紹介しました。

ラップで巻いたり寝たまま楽して痩せる方法ではありませんが、努力が結果として表れやすい直接的で効果的な方法です。

ぜひ取り入れてみてください。