骨盤のしくみを踏まえてお話をすると、骨盤というのは本来動くものではありません。
実は骨盤そのものは歪まないのです。
骨盤の骨は簡単に変形するものではないですし、骨の連結部分(仙腸関節と恥骨結合)も完全に固定されています。
もし動いたとしても、骨盤の構造を歪ませるほど大きく動くわけではありません。
そうは言っても、「骨盤の歪みを治してくれ」という患者さんは後を絶ちません。
テレビも雑誌も「骨盤の歪みを治そう」と特集を組んでいますよね。
骨盤は歪むような構造ではないのに、なぜ当たり前のように「骨盤の歪み」という言葉が使われるのでしょうか?
一般的に、骨盤が歪むと次のような特徴が表れるといわれます。
- 猫背になる。
- 腰痛になる。
- 下半身が太りやすくなる。
- 頭痛、肩こりになる。
- 股関節に痛みが出る。
- O脚やX脚などの変形が起こる。
- 左右の足の長さが違う。
- 下っ腹が出てしまう。
- 血行不良、冷え性になる。
- 便秘になる。
- 生理不順、不妊。
- 不眠、自律神経失調症。など…
これらすべてが骨盤の歪みによるものだと言われます。
結論を言ってしまうと、
骨盤の歪みや、それを原因とする上記の症状の正体は、
『姿勢不良』と『筋力低下』です。
なんだか拍子抜けするような答えですが、
上記の症状は全て姿勢不良と筋力低下によるものだと説明できます。
当然、これらの症状が出るほど姿勢が悪くなっていれば、骨盤も傾きます。
姿勢が悪いと、上半身と下半身の連結部分である骨盤は、両方のバランスを保とうと傾くからです。
つまり姿勢不良による骨盤の傾きを『歪み』と表現しているのです。
骨盤の歪みとは?② に続きます。