骨盤ベルトの目的
骨盤とその周囲の筋肉を引き締め、安定させるために使われます。ぎっくり腰や慢性腰痛、日常的に重いものを持ち上げる仕事の人に向いています。
整形外科などで作るコルセットは、腰を動かさないように固定するのが目的ですが、骨盤ベルトは固定はせずに、動きのサポートをします。
コルセットなどで長期間固定すると筋肉が衰えますが、骨盤ベルトにはその心配がないので、日常的に使用できます。
また、産後の女性のゆるんだ骨盤を安定させるのにも効果があります。
昔はサラシなどで骨盤を巻いて固定していましたが、現在では産後用の骨盤ベルトが使われています。
ダイエットやフィットネスの補助用具としても利用されます。
骨盤ベルトの仕組み
様々なメーカーからたくさんの種類の骨盤ベルトが発売されていますが、その多くはゴム製の伸縮性のあるベルトです。大きく分けて、①布にゴムを編み込んだタイプと、②生ゴムをそのまま使用したタイプがあります。
それぞれに利点があるので、目的や用途に合わせて選びましょう。
【ゴム編み込みタイプの特徴】
- 肌触りが良い
- ゴム特有のにおいが少ない
- 見た目が良い
- 生ゴムタイプに比べ、伸縮性が弱い
- 耐久性が低い
- 装着に力が要らない
- 幅が狭い
- 少し厚みがある
- かぶれにくい
- 蒸れにくい
【生ゴムタイプの特徴】
- 伸縮性が強い
- 幅広の物が多いので、安定感がある
- 耐久性が高い
- 新品は少しゴムのにおいがする(使っているうちに少なくなります)
- 薄いので衣服に下に装着できる
- メンテナンスしやすい
- 装着時、少し力が必要
- 付け心地の違和感が少ない
- 夏場は蒸れやすい(穴あきタイプもある)
- 肌に直接ふれるとかゆくなる場合がある
ゴム編み込みタイプはレースをあしらったものなど、見た目がおしゃれなものが多く、装着に力がいらないので、女性向けと言えるかもしれません。
ゴム編み込み式は様々な形があります。
ヒップアップなどのエクササイズ効果のある商品もあるので、ダイエットやスタイルアップなど、目的に合った物が見つかりやすいでしょう。
生ゴムタイプは耐久性と伸縮性が高く、安定感があるため、力仕事や長時間の立ち仕事などに向いています。
骨盤を安定させ、支えるという目的においては、ゴム編み込み式よりも信頼できます。
腰痛に悩んでいる場合は生ゴムタイプをオススメします。
骨盤ベルトの使い方
まず、装着する位置ですが、ウエスト部分よりも下に付けましょう。ウエスト部分(腰の骨よりも上のくびれの部分)に装着すると、効果が無いだけではなく、内臓を圧迫してしまいます。
目安としては、幅広のタイプであればベルトの上辺がヘソの高さになるくらい、幅が狭いタイプであれば、ヘソと恥骨の中間を通るくらいの高さが良いでしょう。
装着する際、ゴム部分を引っ張って付けますが、できるだけ左右同時に引っ張るようにしましょう。
右と左を別々に引っ張ると、骨盤がねじれた状態で固定されてしまいます。
基本的には衣服の上から装着します。
肌着の上に付けてもいいですが、肌に直接触れると摩擦や汗によってかゆくなる場合もありますので注意してください。
お風呂に入るときはもちろんですが、就寝時には骨盤ベルトは外すようにしましょう。
骨盤ベルトとの上手な付き合い方
骨盤ベルトは日常的に使用する事ができ、身体のサポートをしてくれます。しかし、姿勢の改善や筋力の向上を目指すのであれば、自身で運動をすることが必要です。
365日、何十年もベルトを巻いて生活するわけにもいきませんから、少しずつ使う時間を減らしていくのがいいでしょう。
産後の方であれば、骨盤が安定する1~2か月。
腰をケガした方であれば、痛みが軽くなるまで。
腰に負担のかかる仕事をしている方であれば、仕事中だけ。
骨盤ベルトの力を借りながら、運動も行い、最終的には自分の筋力によって骨盤を支えられるようになるのが理想です。
骨盤ベルトに頼るのではなく、手助けに使うのが正しい使い方です。