ダイエットの王道

先日、患者さん(20代 女性)から聞いたお話です。


その方はお友達に誘われ、大手フィットネスクラブの無料体験へ行ったそうです。


プログラムの内容は(患者さんのお話から察するに)、数種類のマシントレーニングを30分繰り返し行う、いわゆるサーキットトレーニングと言われるもののようです。


スタッフの方から受けた説明をまとめると、やせる為には筋肉量を増やすのが最も効果的だとのこと。
一週間に3回ほど来店してエクササイズを続けることで、必ず効果が表れると言われたそうです。


結局、その患者さんはフィットネスクラブの営業時間とご自身のお仕事の時間がかみ合わず、通うことは難しいと判断して入会には至らなかったそうです。(入会金や月々の会費も大きなネックに感じたそうですが)



運動を継続し、筋肉量を増やして痩せる…


とても当たり前に聞こえますが、この「当たり前」こそがダイエットの王道だと思います。


筋肉量が増えれば、消費カロリーが増え、ダイエットにとても効果的です。


そして長期間継続して得られた筋肉は、簡単に衰えることはありません。


筋肉を鍛えることは、「やせやすい身体」「太りにくい身体」を作るのです。



肥満大国アメリカでは、毎年様々なダイエットプログラムが生まれています。
ハリウッドセレブやミュージシャンなどが実践して効果が表れれば、そのプログラムはたちまち大流行します。
以前日本でも流行った「ビリーズブートキャンプ」に代表されるように、そのほとんどは「筋肉を鍛えてやせる」のが主流です。


筋肉を鍛えることは、ダイエット以外にも様々な良い効果をもたらします。
  • お腹周りを鍛えることで、くびれができる。下っ腹が引っ込む。
  • 背中の筋肉を鍛えることで、姿勢が美しくなる。
  • 運動不足による肩こり・慢性腰痛が軽減する。
  • 代謝が上がることで、冷え性が改善される。
  • 発汗によるデトックス効果。
  • 筋肉による外反母趾やO脚の矯正。
  • ヒップアップ・バストアップ。
ほとんどが女性にとってうれしい効果です。
骨盤矯正を希望する方が持つ悩みの多くも解決します。




「筋肉を鍛えるとムキムキになって足や腕が太くなるんじゃないの!?そんなのヤダ!」という声も聞こえてきそうですが、正しい方法で運動すればそのような心配はありません。


筋肉が肥大して大きくなるには、大きな負荷を加えることが必要になります。
逆に、重いウェイトトレーニングをしなければ、それほど筋肉が大きくなることはありません。
おもりを使うのであれば、1㎏くらいの軽い物で充分です。


おすすめは、自分の体重や筋力を使ったトレーニングです。
  • 左右の手のひらを顔の前で合わせ、5秒間押しあう
  • 腕立て伏せの体勢になり、うでを伸ばしたまま30秒間じっとする
  • 仰向けになり両ひざを曲げ、自分のヘソを見るように頭を持ち上げる
などです。
大切なのは筋肉を発達させることよりも、筋肉に流れる血液の量を増やすことです。
普段使っていない筋肉を目覚めさせることがカロリー消費の手助けになります。




反対に、日本で流行するダイエットと言えば、
  • ○○するだけダイエット(寝るだけ・息をするだけなど)
  • ○○を食べてやせる(りんご・トマトなど)
  • ○○をしないでやせる(運動しない・努力しないなど)
などの、「頑張らないダイエット」が主流と言えます。
骨盤矯正ダイエットもその部類ですね。
「筋肉を鍛えてやせる」という王道のダイエットとは逆の方向を見ています。
これらの日本で流行するダイエットは、効果が出にくいだけでなく、栄養の偏りやリバウンドといった悪影響も表れます。



「筋肉を鍛えればやせる」のは当たり前です。
誰でも知っています。
でもコツコツ頑張らなければなりません。
それは嫌なんです。
みんな頑張らないでやせたいんです。
すぐに結果を出したいんです。
みんなが心のどこかでそう思っているから、楽してやせる「邪道ダイエット」の流行が無くならないのでしょう。


邪道から抜け出すには、やはり王道を目指すしかありません。