骨盤矯正のウラ話

骨盤矯正は医学的根拠が無く、治療行為ではないと書きましたが、
ではなぜ、
骨盤矯正はこんなにも知名度があり、たくさん行われているのでしょうか。



その理由の一つに、骨盤という言葉が持つ魅力があると思います。

骨盤は女性にとって特別な役割を持ちます。
女性の骨盤は、
内生殖器を入れる器であり、
胎児を守るゆりかごです。

また、骨盤は男性よりも女性の方が幅広く円くなっており、
その男女差によって女性の体は丸みを帯び、
優しさのあるふくよかな外観となります。

女性は月経がありますから、
男性よりも自分の体に意識を向ける事も多いでしょう。


骨盤の正確な形や構造は知らなくても、
骨盤が女性にとってとても大事なものだという事はなんとなく知っていると思います。
その「なんとなく大事」というイメージが、
骨盤に神秘性を持たせているのです。

「運命」「占い」「おまじない」のように、
科学や理論でハッキリと白黒つける事の出来ないものの神秘性は、
昔から女性を魅了してきました。

「詳しいことはよくわからないけれど、なんとなく大事なものだ」
というイメージが、
骨盤に医学的な役割以上の神秘的な意味を持たせた結果、
言葉が一人歩きをしている状態なのです。



加えて、テレビや雑誌が取り上げるので、認知度がアップします。
女性週刊誌や昼のワイドショーにとって、
神秘性があって女性に人気の「骨盤矯正」はうってつけです。
その上、矯正器具や骨盤エクササイズ等の商品を紹介することで、広告収入が入ります。
メディアとしては魅力的な題材ですから、定期的に特集が組まれます。
 




そしてもう一つ、
施術をする側、つまりお店の都合があります。

骨盤矯正というのは医療ではありませんから、
保険が適応されません。
保険は料金が決められていますが、
骨盤矯正は料金を自由に決める事が出来るのです。

料金だけでなく、回数も決める事が出来ます。
「○○回通って下さいね」と言うだけです。

骨盤矯正の施術だけではなく、
積極的なお客さんには「矯正グッズ」や「サプリメント」を売ったりもします。

売り上げ(単価と購入頻度)が自分で調整できますから、
骨盤矯正を希望する患者さんは「オイシイ」のです。



また、医療行為でないという事は、
「治す」行為ではないということです。
患者さんのつらい症状を改善しなければならないというプレッシャーはありません。
施術者にとっては「治す」ことよりも「壊さない」ことの方が大事なのです。

いざとなれば、
「骨盤矯正の効果には個人差があります」
なんていう逃げ道もあります。




骨盤矯正を受ける場合は、過度な期待をせずに、
あくまでリラクゼーションの一環と割り切って受けましょう。

もちろん自己責任で。