骨盤矯正でダイエット

皆さん気になるテーマだと思います。

『骨盤矯正でダイエット』

産後にダイエットをしようと思って骨盤矯正に興味を持つ方も多いでしょう。

ネット・雑誌・広告を見ると、「骨盤矯正」と「ダイエット」は切っても切り離せない関係のようですね。
骨盤矯正はなぜダイエットに効果があるのでしょうか?


骨盤矯正がダイエットに効果的な理由として、主に

①「基礎代謝が上がって痩せやすくなる」
②「骨盤が閉じることで、下がっていた内臓が正しい位置に戻り、お腹がへこむ」


などが挙げられています。

ですが、実はこれ、まったく根拠のないお話です。


ご説明していきましょう。

まずは、①「基礎代謝が上がる」について。

基礎代謝とは、人間が生きていく上で最低限消費するカロリーの事です。
基礎代謝の半分以上は、筋肉・肝臓・脳が消費しています。

ですから、骨盤を矯正しても基礎代謝は変化しないのです。

そもそも、基礎代謝は成人してからはほとんど変化することがありません

骨盤矯正で姿勢が改善されたとしても、基礎代謝は安静にしているときに消費するカロリーの事ですから、立ち姿勢や座り方は全く関係ないのです。


そして、②「内臓が正しい位置に戻る」について。

内臓は腹壁という壁に囲まれています。

腹壁の後ろは背骨などがある固い壁になっており、下方は骨盤が内臓を受け止める役割をしています。

腹壁の前方は支えがなく、腹筋などの筋肉や脂肪が壁を作っています。

つまり、下っ腹がポッコリと出てしまうのは、骨盤ではなく筋肉が支えられなくなっているのが原因です。

骨盤の形が変わったところで、前方の支え(筋肉)がしっかりしていなければお腹はへこみません。

そもそも、内臓は簡単に移動するものではありません。

胃下垂の人や腸が長い人もいますが、それは生まれ持ったその人の特徴です。

特に子宮などの内生殖器は複数の靭帯で固定されており、移動することはないのです。

下っ腹が出ているのは、骨盤がゆがんでいるせいではありません。
筋肉がたるんでいるからです。

ウエスト周りのダイエットをしようと思ったら、たるんだ筋肉を鍛えるしかありません。
筋肉を鍛えることで、ポッコリお腹を解消し、お腹周りの脂肪が燃焼しやすくなります。



産後は「基礎代謝」も「内臓の位置」も気にしないでください。

授乳をすることで赤ちゃんに多くの栄養を渡していますから、基礎代謝なんか気にしなくてもどんどんカロリーは消費されます。

ですから、体型を気にして無理に食べるのを我慢したりは絶対にしないでください。

母乳に影響が表れますし、体を壊してしまいます。

産後は母子ともにたくさんの栄養が必要な時期なのですから。

また、内臓の位置も関係ありません。

産後に下っ腹が出た状態というのは、伸ばされた子宮と腹筋がまだ元に戻っていないからです。
いつまでもそのままではありませんから、徐々に元に戻っていきます。

「内臓の位置が下がっている」
「すぐに骨盤矯正をしないと元に戻らなくなる」

などといった根拠のない情報に振り回されないようにしましょう。